オフィスラブはじまってました
「だから、私は貴方が食べたくならないように、カップ麺は貴方が大学に行っているときに、ひとりでひっそりと食べていたのに」

「……食べてたんですか、澄子さん」
とひなとが言うと、

「私はどうなってもいい。
 秀継さんだけは健康に、と願っていたんだよ」
と澄子はしんみり言ってくる。

 ちょっといい話のようだが。
 カップ麺を食べるか食べないかという話ですよね、澄子さん……、
と柚月は思っていたのだが。

 この夫婦は真剣だった。

 夫婦の問題、他人にはわからない……と思いながら、柚月が見つめていると、

「澄子」
と秀継が澄子の前に進み出た。
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