オフィスラブはじまってました




 お湯を沸かしたが、なにも淹れずに部屋に戻っていると、車がとまる音がした。

 見ると、タクシーがとまっていて、
「どうもありがとうございました」
と言うひなとの声が聞こえてくる。

 しばらくして緒方が二階に上がっていく音がし、ひなとが鼻歌を歌いながら、鍵を開ける音がした。

 柚月はドアを開け、
「ひなと」
と呼びかける。

「ちゃんとお役目果たせたか?」

「あ、はい。
 皆さん楽しい方で。
 猫も可愛かったです」

 猫? と訊き返すと、
「緒方さんちのお寺に猫が住み着いてたんですよ。
 フカフカの猫が」
とひなとは笑う。
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