オフィスラブはじまってました
「家事するときには、使い捨ての手袋とか使ってるからですよ~」

「ほう。
 使い捨ての手袋ね。

 それ、どのくらいの頻度(ひんど)で買ってんだい?」

「……半年に一回くらいですかね」

 ふうー、と溜息をついた澄子は、
「料理、めんどくさかったら、柚月にやってもらいな」
と言って、包丁と少しの野菜を手に、のしのし歩いて行ってしまう。

「あっ、いえ、使いまわしてるからですよっ。
 大家さんっ。
 ちょっと大家さんっ?」
と止めようとしたが、ひなとの家事をしない濡れ衣……

 いやまあ、実のところ、濡れ衣でもないのだが……、はどうでもいいらしい柚月は、ひなとの後ろで、さっさと家電を運ぼうとしていた。

「ああっ、すみませんっ、ヒムラさんっ」
と平謝りに謝りながら、ひなとも急いで荷物を運んだ。




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