オフィスラブはじまってました
 澄子は、すぐにカゴに入れた野菜を持って出てくると、
「ふたりで分けな」
と言って、柚月に渡した。

「あ、ありがとうございますっ」
「ありがとうございます」
とひなとと柚月が礼を言うと、澄子はひなとの方を向いて、

「しっかり栄養のつくもの食べな。
 即席ラーメンでも野菜入れたら違うから」
と言う。

「あのー、私、どんなイメージなんですか……」
とひなとは言ったが、

「手を見ればわかるよ。
 そんな白い綺麗な手をして。

 家事もなんにもしない手だ」
と言った澄子は、ほれ、と自分の日焼けして少し荒れた手を見せてくる。

 確かに、そういう手の方が、見ていて、なんとなくホッとする。

 頼りがいのあるお母さんの手というか、と思いながらも、いやいやいやいや、とひなとは慌てて否定する。
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