オフィスラブはじまってました
「そういえば、さっきホームセンターで売ってた、貼ってはがせるステンドグラスみたいなシール、ちょっと欲しかったんですよね。

 好きなんですよ、ステンドグラスとか、パイプオルガンとか、古い木のベンチとか。

 荘厳な感じがするじゃないですか」

 その言葉に、柚月も黙って部屋の中を見回していた。

 ひなとと一緒に、荘厳な感じになったこのアパートの中を想像してみているようだった。

「ちょっと暮らしにくそうですね」

「そうか?
 俺はいい感じになってるが」

 どんな感じになってるんだ、お前の頭の中の家、と問われる。

「そこら中に木のベンチがあります」

「少し減らせ」

「あと、あそこが懺悔室(ざんげしつ)
とトイレの方を指差す。

「懺悔室じゃなくて、告解室(こっかいしつ)だろ。
 なにか懺悔したいことでもあるのか」
と問われたが、特にない。

 なんとなく、そういうイメージだっただけだ。
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