はつ恋。
私の涙が収まり、警察にヤンキーの引き渡しが済んだところで、ようやく私達は本来向かうべき場所に歩き出していた。


「それにしてもカッコ良かった。躊躇なく蹴り入れてさ。有馬くん、ありがとね」

「いえ、オレは当然のことをしたまでです」

「そんなことないよ。普通いくら男の子でもあんないかにもってやつを前にしたら足すくむよ。だから、本当にすごい。あ~、やだ。ワタシまで惚れちゃいそう」

「えっ...ちょ、ちょっと千里さん?」

「なわけないでしょ?ジョーダンよ、ジョーダン。ひなちゃん、やっぱり可愛いっ!」

「ほんと、可愛い」


2人から可愛い可愛い言われて上機嫌になってしまう。

そんな特別可愛く産まれて来たわけじゃないけど、こんなにも誰かに愛されてるんだから、私...幸せだ。

ずっとこの幸せが続きますように...。

なんて願っても最後は自分の努力しだい。

その幸せを永遠にするために私は向かうんだ。

戦場に...。


< 128 / 165 >

この作品をシェア

pagetop