悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く～破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます～ ２

「御前会議にあげる議題の件ですわよね。私もいろいろと動いてみましたのよ。私と親交のある家では賛成してくれる人は少数派で、貧しい者に教育が必要なのかという声も大きくて……レオンティーナ様の改革案に私なりの意見も加えて、説得してみたりもしたのですけれど……」

　ユエラ伯爵夫人は、申し訳なさそうに眉を下げた。やはり、若輩者のレオンティーナが出した案ということで、反発を覚える者もいるらしい。

「ですが、教育を受けられるのは、ごく一部の恵まれた者だけです。たとえば、我が家のソニアも、恵まれた例でしょう。ねえ、ソニア、そうよね？」

　レオンティーナに従って、伯爵邸を訪れたソニアは、レオンティーナの言葉を肯定した。

「はい。レオンティーナ様がたまたま私に目をかけてくださったおかげです」
「そう言えば、あなたは養護施設の出身だったわね。教育はどこで？」
「読み書きは、大公家の侍女長から教わりました。それから、侍女の教育係にも、歴史や、簡単な数字の計算などを教わりました。レオンティーナ様自身が、字の読み方を教えてくださったこともあります」
「……たしかに、恵まれているわ」