悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
 ソニアの言葉を聞き、伯爵夫人はうなずいた。

「あなたのような侍女が欲しいと、私の友人達も言っているの」
「おほめにあずかり、光栄です。ですが、レオンティーナ様のお力ですから……施設に視察にいらしたレオンティーナ様が私を雇ってくださったおかげです」
「あなた、養護施設の出身だったの? いえ、レオンティーナ様が、養護施設の娘を侍女として引き取ったという話は聞いていたのよ。でも、まさか、身近に置くほど信頼するとは思ってもいなかったものですから……貴族の娘といっても驚かないほどの教育を受けているのね」

 養護施設出身の娘が、レオンティーナの侍女となった話は広く知られている。
 だが、皇女や大公家の娘に仕えるのは、たいていは下級貴族の出身の者だ。行儀見習いを兼ねているのである。ソニアのように養護施設出身者が、侍女となる例は少なく、下働きの者として雇われるのが通例だった。
 レオンティーナがいつも連れて歩くほど信頼している侍女ともなれば、養護施設出身者ではないだろうと思われるらしく、ソニアに文をよこす若者も、下級貴族の娘と思っていることが大半らしい。
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