悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
「それでも、何も言わずに引き上げるのは気がとがめたからな。レオンティーナも、よくやってくれた」

 今、目の前にいるのは本当にアンドレアスなのだろうか。思わず目を瞬かせる。
 アンドレアスの口から、「よくやってくれた」なんて言葉を聞いたことがあっただろうか。夫婦だった時代も聞いた覚えはない。

「本当に戻るのか?」
「当たり前だ。やらなければならないことが、たくさん残っているからな」

 時間が惜しいと言わんばかりに、アンドレアスは引き上げていく。残った二人は、顔を見合わせた。

「……今のって、アンドレアス殿下ですよね……?」
「前とはずいぶん変わったな……」

 アンドレアスのこの変化を、どう考えればいいのだろう。

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