悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
 ルイーザの名が書かれたそれは、ファブリスからのものだった。王子と認められず、王宮の外で暮らしていた期間が長かったからか、彼の筆跡は達筆とは言い難い。
 ちらりと見せてもらったら、内容の方も大変ぶっきらぼうなものであった。
ルイーザのために先代王妃が使っていた離宮を改築しているだの、大きなダイヤモンドを購入したので、ルイーザのティアラにはそれを使う予定だ――だのと書かれている。
 だが、ぶっきらぼうな文面でありながらも、ルイーザに対する思いやりのようなものがにじんでいるのは伝わってきた。
 それを見て、少しばかりほっとする。

(ルイーザ様は、きっとあちらでも幸せになれるわね……)

 ファブリスは、ルイーザをきっと大切にするだろう。それを知れただけでも安堵した。

「あなたの提出した教育制度の改革も、いよいよ実現に向けて動き始めるのですって?」
「ええ。ユエラ伯爵夫人を中心とした、女性貴族で進めていくことになりました」

 レオンティーナが留守にしている間も、ユエラ伯爵夫人は着々と動き回っていた。
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