悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
 いわく、「息子のために忠実な使用人を見つけたい」というのが、彼女の原動力になったのだそうだ。
同じように考えている貴族も多いらしく、貴族が望むのならば我々もとばかりに、富裕階級の人達の間でも、教育制度の改革に期待する声が上がっているのだとか。
成果が出るのは何年も先になるだろうが、まずは一歩踏み出したところだ。
 ドレスに施す刺繍を依頼する職人の候補者を決めたところで、ヴィルヘルムが顔を出した。ターナジアから帰ってまだ三日。彼とはろくに話す時間を取ることができていない。

「ルイーザ、そろそろレオンティーナを解放してもらえないか。お前にかかりきりで、話をする時間も取れないんだが」

 ヴィルヘルムを見たとたん、そわそわとし始めたレオンティーナの様子に、ルイーザはくすりと笑ってレオンティーナを解放してくれた。
 

ヴィルヘルムに連れられ、レオンティーナはゆっくりと歩く。
 連れていかれたのは、庭園の一画だった。

「……取り寄せてくださったんですね」

 花壇を埋め尽くす勢いで咲いていたのは、ギルベルトがレオンティーナのようだと言ったクラリサであった。白い花が風に揺れる。

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