悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
「そうしてくださる? お兄様とレオンティーナがいないと、私も退屈してしまうもの。ギルベルトお兄様が来てくださったら嬉しい」

 ルイーザのこういうところにはかなわない。あっという間にギルベルトを引き込んでしまった。

「そうだ、レオンティーナ。君に頼まれていた資料……写しを作ってもらってきた。目を通す時間はないだろうから、持っていくといいよ」
「ありがとうございます、助かります」

 ギルベルトがレオンティーナに渡したのは、ターナジアの地で、過去、どんな作物が育てられていたのか。残っていた記録を抜粋したものだった。
 機密事項ではないので、写しを持ち出す分には問題ない。

「今、アンドレアスのいるあたりだけではなく、ウルスラの地も騒がしくなっているようだから気をつけて」
「忠告、ありがとう。十分注意して行ってくる」

 ヴィルヘルムとギルベルトがそのまま難しい話になりそうだったのをとめたのは、またもや気楽なルイーザだった。

「せっかくレオンティーナが来てくれているのに、難しい話ばかりする必要もないでしょう? 何か、楽しいお話はないの?」

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