可愛くないから、キミがいい【完】




偉そうで、めちゃくちゃだ。

楽しくなかったらどうしてくれるんだ。


しばらく黙っていたら、電話の向こうで、はー、と長くため息を吐く音が聞こえてきた。どうせ、折れない私に和泉しゅうがイライラしはじめたんだと思う。


そういうのも、気に食わない。すごく、ムカツク。


勝手にキスしたことは私の非なのに、それには何にも触れずにただ謝ってきたこともこの期に及んで腹が立ってくる。



それだから、おそらく今、私は、和泉しゅうに、まだ、とっても怒っているんだと思う。




「……みゆ、やっぱり怒ってるんだった」

『おー、ようやく本当のこと言うのな』

「本当に怒ってるんだから、」

『うん』




今、絶対に変な顔をしている自信がある。

泣きたいのに、頬の筋肉がゆるまって、泣きながら笑いたいような気持ち。失ってしまいたいのに、それを、どうしてか自分で掴んでいる。




ねえ、和泉しゅう。


「……来週の土曜、楽しませてくれないと、許せないかも」


今、笑ったら、もっと怒るから。







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