キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。


イジワルな笑みを浮かべる中江くんを見て、嫌な予感がする。

もしかして墓穴を掘った?

そんな話をしていると、学校の最寄り駅に到着して彼は他の部員を見つけて離れていった。

でも、くるっと振り向き「忘れるな」と自分の制服の胸ポケットを指さしている。

日焼け止めのことか。

私が大きくうなずくと、ユニフォームの入ったバッグを持ったままの彼は足を進めた。



更衣室でジャージに着替えたあと、中江くんにもらった日焼け止めを顔や腕にたっぷり塗る。

胸のあたりまであるストレートの髪をひとつに束ねて、いざ出発。

今日も日差しが強そうなので、熱中症が出ないように気をつけなければと気持ちを引き締めた。


まずは倉庫からバットやボールを運び出し、所定の位置に置いていく。

ぞろぞろ集まりだした部員たちが、それぞれ柔軟体操を始めた。


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