先生がいてくれるなら②【完】
色々見ている中で、私はとても心惹かれる、小さなクリスマスツリーを見つけてしまった。
それは高さ30センチほどの、棚やテーブルに飾るような小さなツリーだけど、とても可愛いオーナメントがぶら下げられている。
いかにも手作り、と言った風情で、私はそのツリーから目が離せなくなった。
「可愛いでしょう? このオーナメントは北欧のおばあちゃん達が手作りしたものなんですよ」
お店の人にそう声をかけられ、私はますますそのツリーが気に入ってしまって。
どうしようか迷っていると、先生が「なんで迷ってんの?」と私に尋ねた。
「えっと……うちにもツリーがあるのに最近は飾ってないんですよね。それなのにもう一個増やすのってどうなのかなーって思って……」
「あぁなるほどね。だったら、これは俺んちに飾ればいいんじゃない?」
「……」
先生、あの、さりげなく凄く嬉しくなるような事、言わないで下さい……。
それって、これからずっと一緒にクリスマスを迎える、みたいに聞こえます……。
だって、先生ひとりだったら、ツリーなんて飾ったりしないでしょう?
『俺そう言うのめんどくさいから立花に任せる』とか言うんでしょう?
──な~んて、私はそんな妄想をしながら、嬉しくて、コクコクと頷いた。
ふたり共有の所有物となった、小さなクリスマスツリー。
先生の部屋に、先生と私の共有のものが少しずつ増えていく。
そんな小さな事が、とてもとても幸せに感じる。