先生がいてくれるなら②【完】

両手を口元へ持って行って必死に耐える立花が可愛すぎて、いたずら心がむくむくと湧き上がってきてしまった。



──柔らかい肌を唇で挟んで、……強く、吸う。


すると、驚いたような、あのさっきの可愛い声がして……。



うん、良い声──。


俺は、立花の声にも、俺が落とした唇の痕にも、満足した。



立花は息が整わず荒い呼吸を繰り返し、身体を震わせている。


俺が顔を上げると、立花は潤んだ瞳で俺を見つめていた。



あーあ、なにその色っぽい顔……。



自らが出した声の恥ずかしさに思わず口を塞いでいた立花の両手をそっと剥がし、リップ音をさせて軽く触れるキスをして。



「俺の印、付けといたから」



そう告げると、立花は言葉の意味が理解できなかったらしく「へ？」なんてちょっと抜けた返事をするから、さっき唇できつく吸った赤く残るその痕を指先でそっとなぞると、立花は俺の指先にあるそれをやっと認識して……。


見事に顔中真っ赤になった。