醜い私と綺麗な君
ちーちゃんと出会ったのは、中学三年生の時。
初めて同じクラスになった。
いつも下を向いてばかりの私に優しく声をかけてくれたのがちーちゃんだった。
ちーちゃんなら信用できると思って
すごい怖かったけど、思い切って自分の病気のことを話してみた。
最初はどんな病気かわかんなくて、いくつか私に質問してきたちーちゃんだったけど、私の気持ちを全部聞いたちーちゃんは急に私に抱きついてきて、『ごめんね‼︎気づいてあげられなくて…美海がそんなに苦しんでたなんて気づけなくて…きっと話すの怖かったよね。でも話してくれてありがとう‼︎』
と、泣きながら謝ってきた。
私は、びっくりしたけど嬉しかった。
ちーちゃんは、私を抱きしめる力を強めて
『今度から私の事たくさん頼って‼︎あんまり頼りないかもだけど、美海が悲しんでると私も悲しい。私達、親友でしょ?』
ニカッと笑って言うちーちゃんに私は救われた。一人じゃないってことを教えてくれたから、私もちーちゃんを大事にしたいと思った。
それからちーちゃんとは、ずっと仲良くしているけど…
『ちょっと美海‼︎あんた今日電車だったでしょ⁇大丈夫だったの⁇痴漢とか声かけられたとかない⁇ケガとかしてない⁇』
『そ、そんなに心配しなくて大丈夫だよ‼︎
私に声かけてくる人なんていないよ‼︎』
『何言ってるの‼︎あんた気づいてないかもしれないけど、本当に可愛いんだからね‼︎もう可愛さを隠しきれてないから絶対変な奴に狙われると思って心配なのよ‼︎』
『か、可愛くないよ!』
と、こんな感じでちょっと過保護なところもあったりする。
こんな私にも可愛いって言ってくれて優しいちーちゃんが私は大好き‼︎
でも、私は…(こんな完全防御だけど隠しきれてないのかな⁇大丈夫かな⁇)と少し不安だった。

それから私達一年生は、体育館に移動して入学式を行なっていた。
入場の時も緊張と怖さで下を向いてしまった。悲しさで校長先生のお話も耳に入ってこなかった。
『続いては、新入生代表の柴崎優磨さんお願いします。』
司会の人がそう言って前に出てきた人に体育館が少しざわついた。
『あの人やばくない⁇』
『えっ。マジでかっこいいんだけど。』
なんでそんなに騒いでいるんだろうと気になって下を向いていた頭をステージの方に向けた。
そこに立っていたのは、モデルさんのような体型で、コハク色の髪をしたとてもかっこいい男の人が立っていた。
とってもかっこいい人だなぁ…
私とはきっと住む世界が違うんだろうなぁ…
そう思ってまた私は下を向いてしまった。
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