身代わり花嫁なのに、極上御曹司は求愛の手を緩めない
「ええと……、今度は結婚生活の偽装を頼まれているのでしょうか?」

さすがにそれは無謀すぎるだろう。嘘の上塗りは泥沼にはまるだけだ。

けれど高須賀さまは露骨に不愉快を滲ませる。

「偽装ではない。俺はあなたと結婚したいと言っているんだ。あなたと結婚式をすると決めたときから、俺の心は決まっていた」

「意味がわかりません。私はただの担当のウエディングプランナーで……」

私と結婚式をすると決めたときからなんて、高須賀さまは何を言い出すのだろう。

「つれないな。俺たちはキスまでした仲だろ?」

目をすがめられ、私はかあっとなった。

しっかり五秒は続いたウエディングキスが鮮明に甦る。

「あれは高須賀さまが勝手にっ……! と、とにかく私にはそんなつもりはまったくありません!」

私は純粋に川嶺のために、花嫁の代役を引き受けただけだ。

けれどきっぱり断ったのに、高須賀さまは少しも動じる様子はない。
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