身代わり花嫁なのに、極上御曹司は求愛の手を緩めない
会議室に入り、北瀬マネージャーとふたりきりになると、私は早速彼を問い質した。

「北瀬マネージャーは高須賀さまから聞いていたのですか?」

「ううん何も? でも高須賀の性格なら、川嶺さまとやり直す選択はしないだろうし、昨日今井さんに電話があった時点でなんとなくね。っていうか、本当に結婚するんだ?」

北瀬マネージャーは察しがよすぎる。

私は昨日の出来事をかいつまんで話した。

さすがにいきなりの結婚には二の足を踏む私に、まずは一緒に暮らそうと高須賀さまが提案してきた話になると、北瀬マネージャーは苦笑する。

「それはもう高須賀の思うツボだな」

私はぐうの音も出ない。

「高須賀、今井さんに本気になっちゃったんだね」

「私、彼に好かれるようなことは何も……」
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