身代わり花嫁なのに、極上御曹司は求愛の手を緩めない
「高須賀さまは普段も自炊しているのでしょうか?」

後片付けを申し出た私は、食器をキッチンに運びながら彼に質問した。

「いや、夜はほぼ外食だ。今月は仕事の付き合いや海外出張のスケジュールをセーブしているから、いつもより家で食べられそうだが」

本来なら、彼は今頃新婚旅行の予定などが入っていたのかもしれない。

「そうなんですね。私は残業が多い仕事なので、夜はいつも適当に済ませてしまいがちなんです。でも今日はひさしぶりにおいしいごはんをいただきました。ありがとうございます」

しっかりおなかが満たされると、なんだか心も満たされた。やっぱり食事は大事だと改めて思い知る。

「時間が合うときは、俺がいつでも作ってやるぞ」

さらっと告げられ、私は高速でかぶりを振る。

「とんでもないです。そんな恐れ多いことお願いできません」

「恐れ多いってなんだ? 料理なんて誰がしたっていいんだし、俺に任せておけ」

「でも……」
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