身代わり花嫁なのに、極上御曹司は求愛の手を緩めない
「すみません。いきなり辛気臭い話をして。あっ、そういえば高須賀さまのご両親さまは私がここで暮らすのをご存知なのでしょうか?」

しんみりしたくなくて、私はすぐに話を変えた。

「ああ。俺が紗衣にプロポーズしたと伝えてある」

「私なんか高須賀さまに相応しくないとご反対では?」

いくら彼が私を気に入ってくれていても、彼は高須賀商事の御曹司なのだ。両親もいない庶民の私との結婚など、許されるのだろうか。

「反対などしていない。俺の結婚は俺自身に委ねられたと言っただろう。紗衣のことは先日の件で、度胸も思いやりもある素晴らしい女性だと好印象を持っている。たぶん紗衣が思っているよりもうちの両親は柔軟な考え方だから、何も心配するな」

わずかな不安も掻き消すように言い切られた。確かに柔軟思考でないとあんな結婚式は受け入れられないかもしれない。

なんとなく会話は途切れ、私たちは食事に集中する。

おなかが空いていたのもあって、あっという間に完食してしまった。
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