その手をつかんで
「明日花はどれが良かった?」


蓮斗さんに聞かれ、試着したドレスに目を向ける、どれも素敵で迷ってしまう。でも、どうしても目が留まるのはあのドレス。


「一番最初に着たのが良かったです」

「うん、俺も同じ意見だ。では、これでお願いします」


彼が指差したドレスをスタッフが手に取り、確認。ウエスト周りが少し大きかったので、私に合うようお直しを頼んだ。

パーティー当日はこの店の二階にあるサロンで、ヘアメイクをしてくれることになった。

そんな部屋まであることに驚くのは、私だけ。蓮斗さんはこの店をよく知っていた。瑠奈に付き添ってくることが多かったらしい。

何もかもスマートな彼に任せて、私は動作のきれいな彼にただ見惚れていた。

ほんと、かっこいい。あの人が私の婚約者……本当に私でいいのかな?


「明日花、疲れた? 帰ろう」

「はい……あ、お支払いは……」

「そんな心配しなくても大丈夫。明日花へのプレゼントだからね」

「ええっ? 贅沢すぎるプレゼントです……でも、ありがとうございます」


私たちのやり取りを見ていたスタッフがクスクスと笑う。
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