その手をつかんで
「ありがとうございます。ご存知だったんですか?」

「ええ、瑠奈さんからお聞きしました。瑠奈さんのご友人だそうですね」


蓮斗さんは、この店の予約を瑠奈に頼んだそうだ。瑠奈は婚約者のドレス選びに行くという情報を伝えたらしい。

早速蓮斗さんと選んで、広いフィッティングルームに入った。

着替えた私は、ひとりでくるくると回ってみる。

すごい、お姫様みたいだ……。自分で言うのもなんだけど、かわいい。

でも、高そう。いくらだろう……確認しようとタグを探すが、付いていない。


「明日花、まだかな? 開けてもいい?」

「あ、はい! 着てみました」


ドアを開けて、用意されたハイヒールを履く。私の姿を見て、スタッフの女性が感嘆な声をあげた。


「まあ! 素敵ですね!」

「ああ、よく似合っている。ちょっと後ろ向いて」


蓮斗さんの要望に応えて、ぎこちなく後ろを向く。彼は「うん」と満足そうな声を出した。

これで決定かと思ったが、さらなる蓮斗さんの要望で別のもいくつか試着した。

いくつも着るのは、ちょっと疲れる。椅子に座り、出してくれた紅茶を飲んでひと息ついた。
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