その手をつかんで
何度出ても、こういうパーティーは疲れると蓮斗さんは言っていた。年配の人は楽しんでいるみたいだけど、私たちの年代は疲れるだけかも。

結婚したら、出席することが多くなるに違いない。いつか慣れるかな。


「あら、皆さんお揃いで! こんばんはー」

明るい声で私たちの輪の中に入ってきたのは、ゆかりさん。彼女は鮮やかなブルー色のマーメイドラインなドレス姿だ。

ゆかりさんだけではなく、ゆかりさんの両親と思われる夫婦と社長も一緒だった。


「お父さん、お母さん。この方が蓮斗さんの婚約者よ」


突然ゆかりさんに紹介されて、私の顔は強張った。

社長が一歩前に出る。


「蓮斗の婚約者である野崎明日花さんです。彼女は、うちの会社の社員でもあるんですよ。あと、瑠奈とも仲良くしてくれています。明日花さん、こちらはリリス病院の常磐院長と奥様です」


社長に紹介されて、私は深々と頭を下げた。


「はじめまして、野崎明日花と申します」

「ほお、あなたが蓮斗くんの……常磐です」


常磐院長に名乗られて、私は嫌な汗が出そうになる。絶対自分の娘よりどこがいいのかと思っている……。
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