その手をつかんで
それから三日間、私たちはマリンスポーツを中心にいろんなことを楽しみながら、結婚式の準備も進めた。


ウェディングセレモニー当日、純白のウェディングドレスに身を包んだ私は、白いタキシードを着た蓮斗さんと対面。


「きれいだ」

「蓮斗さんもかっこいい……」


褒め合った私たちは、水上チャペルへ行く。

ガラス張りの開放的なチャペルのドアが開かれた先は青い空と海。

サイドにゲストと牧師が並んでいる。

私の少し前に立つ蓮斗さんが手を差し出した。


「明日花、好きだよ」

「私も」


彼の手をしっかりとつかんで、隣に立つ。ゆっくりと一歩一歩、進んでいく。

結城家のゲストは、蓮斗さんの両親と瑠奈家族。野崎家は、私の両親と弟。家族は私たちより一日遅れて、到着していた。

家族だけのアットホーム挙式ではあるが、場所が場所なので、ゴージャス挙式でもある。

みんなが祝福の拍手を送ってくれる中、牧師の前まで行き、足を止めた。

誓いの言葉を述べて、指輪交換。蓮斗さんはスムーズに嵌めてくれたのに、私の手は緊張で震える。

なんとか嵌められて、彼を見る。優しく見守ってくれていたようで、微笑みを浮かべた。
< 176 / 180 >

この作品をシェア

pagetop