その手をつかんで
十月中旬の秋晴れで爽やかな日、私は結城製薬会社に中途採用で入社した。
私は総務部所属で、社員食堂勤務となる。人事部の人が、まず総務部へ案内してくれる。
「横山チーフ。こちら、野崎さんです」
「野崎明日花と申します。ご迷惑をお掛けすることがあるかと思いますが、がんばりますのでよろしくお願いいたします」
「横山と申します。こちらこそ、よろしくお願いします。今後の社食、期待していますよ。このあと、私が食堂に案内したいのですが、他の予定があるので別の者に頼んでいます。杉田くん」
30代後半くらいの優しそうな顔立ちの横山チーフに呼ばれて、近くのデスクにいたひとりの男性が立ち上がった。
その男性が私たちの前までやってくる。
あれ?
この人って……。
「やっぱ野崎さんだ。名前を聞いて、同姓同名かと思ったけど、久しぶりだね」
「ビックリした、杉田くん、ここで働いていたんだね」
対面した杉田勇哉(すぎたゆうや)くんは、高校のときの同級生だ。まさかこんなところで再会するとは思わなかったが、知り合いに会えて緊張が少し和らぐ。
私は総務部所属で、社員食堂勤務となる。人事部の人が、まず総務部へ案内してくれる。
「横山チーフ。こちら、野崎さんです」
「野崎明日花と申します。ご迷惑をお掛けすることがあるかと思いますが、がんばりますのでよろしくお願いいたします」
「横山と申します。こちらこそ、よろしくお願いします。今後の社食、期待していますよ。このあと、私が食堂に案内したいのですが、他の予定があるので別の者に頼んでいます。杉田くん」
30代後半くらいの優しそうな顔立ちの横山チーフに呼ばれて、近くのデスクにいたひとりの男性が立ち上がった。
その男性が私たちの前までやってくる。
あれ?
この人って……。
「やっぱ野崎さんだ。名前を聞いて、同姓同名かと思ったけど、久しぶりだね」
「ビックリした、杉田くん、ここで働いていたんだね」
対面した杉田勇哉(すぎたゆうや)くんは、高校のときの同級生だ。まさかこんなところで再会するとは思わなかったが、知り合いに会えて緊張が少し和らぐ。