その手をつかんで
私の胃は、緊張やプレッシャーに弱いようだ。痛む腹部を押さえる私を見た蓮斗さんが、慌てた。
「明日花、どうした? また痛くなった?」
「平気……です。疲れたのかも」
「ごめん。初日で精神的にも疲れているだろうに、酷いことを言ってしまって。医務室に行こう……あ、もう終わってるか。救急車呼ぼう」
「え、救急車? いえ……少し休めばよくなります……」
よくなると言いながらも、また痛くなる胃に私の顔は歪む。
蓮斗さんは私の肩を抱き、ソファに座らせた。
「俺に寄りかかっていいから。でも、病院に行った方が良くないか? 救急車がイヤなら、今の時間でもやっているところを探すよ。取引先の病院はいくつもあるから……」
蓮斗さんがスマホを手にした時、この部屋のドアが開いた。私たちは動きを止めて、ドアの方を見る。
「私が診ましょうか?」
入ってきたのは女性で、瑠奈が入院していた病院……確かリリス病院だった。そこの女医さんだ。
「ゆかりさん」と蓮斗さんが呟くように言う。
そうだ、この人は花嫁候補のひとりだとか瑠奈が言っていた。
「明日花、どうした? また痛くなった?」
「平気……です。疲れたのかも」
「ごめん。初日で精神的にも疲れているだろうに、酷いことを言ってしまって。医務室に行こう……あ、もう終わってるか。救急車呼ぼう」
「え、救急車? いえ……少し休めばよくなります……」
よくなると言いながらも、また痛くなる胃に私の顔は歪む。
蓮斗さんは私の肩を抱き、ソファに座らせた。
「俺に寄りかかっていいから。でも、病院に行った方が良くないか? 救急車がイヤなら、今の時間でもやっているところを探すよ。取引先の病院はいくつもあるから……」
蓮斗さんがスマホを手にした時、この部屋のドアが開いた。私たちは動きを止めて、ドアの方を見る。
「私が診ましょうか?」
入ってきたのは女性で、瑠奈が入院していた病院……確かリリス病院だった。そこの女医さんだ。
「ゆかりさん」と蓮斗さんが呟くように言う。
そうだ、この人は花嫁候補のひとりだとか瑠奈が言っていた。