その手をつかんで
私はもう一度、蓮斗さんに言う。
「ひとりで帰れます。電車で帰りたいので、離してもらえませんか?」
「明日花は意外と頑固だね。気をつけて、帰って。心配だから、無事着いたら連絡して」
「はい、わかりました」
プライベートでは連絡しないとも決めているのに、どうしてこうも蓮斗さんは関わろうとするのか……。
彼と別れてから、大きなため息をついた。
同じ会社に勤めていたら、会わないのは難しい。でも、今の業務はやりがいがあるから、辞めたくはない。
なんとか顔を合わせずにすむ方法はないかな……。
良い方法が思い浮かばないまま、家に到着した。
『無事帰りました』とメッセージを送信して、返事が来るよりも先に浴室へ入った。
蓮斗さんからの返信を見たのは、翌朝。
『無事に帰れて、良かった。おやすみ』
朝におやすみを見るのは変な気分で、思わず笑みがこほれた。
もう一件メッセージが届いていたことに気づく。私の誕生日を祝いたいという、瑠奈からのメッセージ。
チェストに置いているカレンダーを見る。自分の誕生日に私は星マークをつけていた。
「ひとりで帰れます。電車で帰りたいので、離してもらえませんか?」
「明日花は意外と頑固だね。気をつけて、帰って。心配だから、無事着いたら連絡して」
「はい、わかりました」
プライベートでは連絡しないとも決めているのに、どうしてこうも蓮斗さんは関わろうとするのか……。
彼と別れてから、大きなため息をついた。
同じ会社に勤めていたら、会わないのは難しい。でも、今の業務はやりがいがあるから、辞めたくはない。
なんとか顔を合わせずにすむ方法はないかな……。
良い方法が思い浮かばないまま、家に到着した。
『無事帰りました』とメッセージを送信して、返事が来るよりも先に浴室へ入った。
蓮斗さんからの返信を見たのは、翌朝。
『無事に帰れて、良かった。おやすみ』
朝におやすみを見るのは変な気分で、思わず笑みがこほれた。
もう一件メッセージが届いていたことに気づく。私の誕生日を祝いたいという、瑠奈からのメッセージ。
チェストに置いているカレンダーを見る。自分の誕生日に私は星マークをつけていた。