オオカミ社長の求愛から逃げられません!
「あの、お腹すきませんか?」
「あぁ、そういえば」
「いい加減ベッドから出ましょう」
「もう少し。休みが一緒の時なんて、めったにないんだからさ。もっと里香に触れたい」
そう言って彼女の腰に手を回し、背後から抱きしめる。首筋に唇を這わせれば、里香の甘い声が漏れ出る。
「んんっ……イヤ。もう、ダメです」
「里香は俺のことイヤなの?」
「い、イヤじゃないです、大好きです。でも……っ」
どんどん体を火照らせていく彼女を、このまま抱いてしまいたい欲求に駆られる。
でも、ついいつも求めすぎて、彼女をくたくたにしてしまう。これ以上は壊しかねない。
ここは諦め、彼女を開放する。そんな俺を見上げた里香は、ちょっと残念そうなホッとしたような表情を浮かべていた。
「じゃあ、続きは夜」
おでこにキスを落とすとはにかむように笑った。
素直で、頑張り屋な俺の奥さん。全身全霊で守ってあげたいと思える存在。彼女に出会わなかったらきっと、こんな愛しい感情があることに、俺は一生気がつかなかっただろう。
「あ、そういえば……」
「ん? どうかした?」
「アレが……来てない」
それを聞いて目を瞬かせた。
「もしかして……」
二人で顔を見合わせる。そしてその予感は的中していた。
俺はこの数か月後、かけがえのない天使に、出会うことになる——。
Fin.


