オオカミ社長の求愛から逃げられません!
もう関わりたくないのに、心のバリアを強引にこじ開けてくる。雅樹のこういうところが苦手だった。
私が言うことをきかないとすぐに怒って、電話に出なかっただけで、怒鳴られたり。声を聞くだけで体が震える。怖い……。手に汗が滲んでいる。
「なんだよ。シカとかよ。もういいや、感じ悪いから他の店行こうぜ」
「賛成~」
二人の気配がしなくなると、ホッとその場にしゃがみ込んだ。よかった、行ってくれた。
私はまだあの人に囚われていたんだと思うと、情けなくて、虚しくなる。もう五年以上も前のことなのに。
もうあんな思い嫌だ。