ぜんぶ欲しくてたまらない。
俺が手を振り払うと、梨里愛は悲しい目をしていた。
その目に俺はつられない。
俺は芽依を探しに行く。
芽依が俺をなんて思おうと俺は芽依が大切だ。
失いたくない。
「航大くんのことは、本当に大好きだったんだよ……」
梨里愛が俺の後ろで何かを言った。
既に走り出していた俺にはなんて言ったのかはわからない。
芽依のことで頭がいっぱいになっていた俺にはどうでもよかった。
「はぁ、はっ……芽依、どこにいるんだよ」
芽依は小さい頃から泣き虫だった。
方向音痴なのは元からで、よく迷子になっては大泣きして俺が探し出していた。
親が見つけられない中、俺はすぐに芽依を見つけていた。
あれはまだ小学生だったかもしれない。
格好をつけたい年頃だった俺は芽依に"俺が必ず芽依を守る"なんてヒーローごっこのような台詞を吐いた。
そんな俺に涙で顔がぐちゃぐちゃだった芽依は、大きく頷いて笑った。
その頃からだろうか……
俺は芽依に恋をした。
ヒーローごっこなんかじゃなくて、本当に俺が芽依を守るんだって小さいながら心に誓ったんだ。