ぜんぶ欲しくてたまらない。
コウくんは何を言っているの?
そう困惑しているうちに、ソファーの上へと押し倒されていたわたし。
「芽依が可愛すぎるから悪い」
わたしを上から見下ろすコウくんの表情はすごく色っぽくて、ドキッとする。
「ぜんぶ芽依のせいだよ、我慢してたけどもう限界」
こんなに余裕のなさそうなコウくんは初めて見た。
真っ直ぐにわたしを見るコウくんの瞳に吸い込まれて離れられない。
「芽依のぜんぶが欲しい」
「……んんっ」
コウくんから降ってくるキスの雨。
触れるだけのキスからだんだんと深くなる。
苦しくなって息をしようと口を開ければ、ぬるりと温かいものが入ってくる。
口の中で絡みついて、離れない。
こんなキス、わたし知らない。
でも、幸せで心地良い。
「……なんで抵抗しないの?止めてくれないとやめてあげないよ?」
唇を離したコウくんがわたしを見つめて言う。
わたしは静かに頷いた。
いいよ、わたしもだから。
コウくんが大好きだから。
わたしもコウくんのぜんぶが欲しい。
コウくんのくれる優しさも好きも温もりも
───ぜんぶ欲しくてたまらない。
そう思ってしまうくらい、好きで好きでたまらないんだ。
「コウくん、大好きだよっ」
─Fin.─


