ぜんぶ欲しくてたまらない。



───放課後。



「ここ、ここ!」



咲良ちゃんが連れてきてくれたのは、くすみブルーの壁が特徴的で家のような可愛いお店。


最近美容室で見た雑誌の特集で載っていたらしい。


そのせいかとても人気でちょっと待つことになったけれど、先に渡されたメニュー表を見るととても美味しそうで、待つ辛さよりも食べたいという思いの方が強くなった。


咲良ちゃんと写真を撮ったり、話したりしていると待ち時間はあっという間に過ぎていった。



「お次にお待ちの2名様ー、窓際の席にどうぞ」



店員さんに案内されて、ワクワクしながら席に着く。


メニューはもう決まってる。


一目惚れした、



「3種のベリーパフェひとつと……」


「生チョコパフェひとつお願いします」



わたしが3種のベリーパフェで咲良ちゃんが生チョコパフェ。


どのパフェもキラキラしていて迷ったけれど、やっぱり一番最初に目に付いたものを選んでしまう。


パフェが届くまではすぐだった。


テーブルに運ばれてきて、メニュー表の写真よりも美味しそうなパフェに目を奪われる。


咲良ちゃんは夢中で写真を撮っていた。




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