ふたりぐらし -マトリカリア 305号室-
「なんだ。ヤキモチ?」
「ち、違うよ」
じっと覗き込まれ、わたしは目を泳がせる。
「安心しろよ。女子高生に興味はないから」
ガーン。
そんな音が聞こえたような気がした。
……わたしだって、女子高生、なのに……。
しょんぼりとして膝を抱えると、おーちゃんの手がこちらに伸びてくるのが、視界の端に映る。
指先がわたしの髪をすくいとった。
「俺が興味あるのは、お前だけ」
告げられた言葉に、わたしはつい身を縮めた。
髪を優しく引っ張られる感覚が、こそばゆい。
「……それは、成長が、見たいから……?」
「それもある」
……それも……。
じんわりと体が熱くなる。
じゃあ、それ以外は、……。