転生夫婦の新婚事情 ~前世の幼なじみが、今世で旦那さまになりました~
「まさか、あのハルトとこんなふうになるとは……」
ひとりきりなのをいいことに小さくこぼしつつ、チラリと真新しいベッドへと目を向ける。
このベッドを購入する際も、実は一悶着あった。結乃の考えでは寝室は一緒としても別々のベッドで眠ることになるのだろうなと考えていたのだけど、どうやら春人は違っていたらしく……以前「ふたりで使うベッドのサイズはどうするか?」という話を振られ、思わず固まってしまったのだ。
『え、あの……同じベッドで、寝るんですか……?』
つい素直に疑問を向けた結乃に、春人は表情を変えないまま小首をかしげた。
『結乃は、隣に誰かがいると眠れないタイプなのか?』
『え? えーと、どうでしょう……違うかな……?』
先ほどから、会話が疑問系ばかりだ。動揺しつつもなんとか返したのち、こちらも思いきって訊ねる。
『逆に、春人さんは気にならないんですか?』
結乃の問いかけに少しだけ思案する素振りを見せたかと思うと、やはり彼は淡々と答えた。
『相手による』
(え……それは……えぇ~~??)
前世のこともあって何だかんだと彼のことはそれなりにわかっているつもりだったが、こればかりは春人の思考が読めなくて混乱した。
つまりこのセリフは、自分となら同衾しても構わないということなのだろうか。見合いの席での口ぶりから、春人は自分と“そういう”触れ合いを望んでいるわけじゃないと勝手に考えていた結乃は、思いきり不意を突かれて動揺する。
──考えが甘かった。思っていた以上に、春人は自分を正しく『妻』として扱うつもりでいたのだ。
ひとりきりなのをいいことに小さくこぼしつつ、チラリと真新しいベッドへと目を向ける。
このベッドを購入する際も、実は一悶着あった。結乃の考えでは寝室は一緒としても別々のベッドで眠ることになるのだろうなと考えていたのだけど、どうやら春人は違っていたらしく……以前「ふたりで使うベッドのサイズはどうするか?」という話を振られ、思わず固まってしまったのだ。
『え、あの……同じベッドで、寝るんですか……?』
つい素直に疑問を向けた結乃に、春人は表情を変えないまま小首をかしげた。
『結乃は、隣に誰かがいると眠れないタイプなのか?』
『え? えーと、どうでしょう……違うかな……?』
先ほどから、会話が疑問系ばかりだ。動揺しつつもなんとか返したのち、こちらも思いきって訊ねる。
『逆に、春人さんは気にならないんですか?』
結乃の問いかけに少しだけ思案する素振りを見せたかと思うと、やはり彼は淡々と答えた。
『相手による』
(え……それは……えぇ~~??)
前世のこともあって何だかんだと彼のことはそれなりにわかっているつもりだったが、こればかりは春人の思考が読めなくて混乱した。
つまりこのセリフは、自分となら同衾しても構わないということなのだろうか。見合いの席での口ぶりから、春人は自分と“そういう”触れ合いを望んでいるわけじゃないと勝手に考えていた結乃は、思いきり不意を突かれて動揺する。
──考えが甘かった。思っていた以上に、春人は自分を正しく『妻』として扱うつもりでいたのだ。