【短編】コイイロ世界
―――――――
「―――さて、」
俺はしゃがみこんでいた体を上げ、その場に立ち上がる。
未月………まだいるかな…。
ふと思い、教室へと一目散に足を進めた。
あれから昔のような“幼なじみ”の生活をしようとも、なぜかぎこちなさを感じる。
やっていることは変わらないのに
不思議と違う感覚
意識して、していたものじゃなかった。
未月といるのは当たり前のことで
故意的にしていたものじゃなかった。
取り戻せない何かを、失ったように
すき間ができ、埋めることのできないまま俺らの中に存在している。
昔の俺らに戻ることは…そう簡単なことじゃない
時間の中で築き上げてきたそれは
そんな単純なものじゃない
だから……完全に昔の俺らに戻るなんて不可能に近いんじゃないのか…
あの時の想いと今の想いは、まぎれも無く別物だ
あの時の思いは今の思いはまた違うものだ
あの頃に戻るなんて
俺には……
できるはずがない…