【短編】コイイロ世界
風が弱まるにつれて、私達な中にまた沈黙が戻ってしまう。
恭…
なんで、そんな顔するの…?
「恭――」
「やっぱり好きなんだ…」
えっ………
「忘れていいなんて、嘘だ…
未月が、好きなんだ……。」
「恭っ!!」
私は、叫ぶように彼の名を呼んだ。
「なんで……そんなこと言うの……」
忘れていいって
あの時いったじゃん…っ、
「私達、オカシクなるよ…。今までみたいに幼なじみのままでいられなくなる……変わっちゃう……っ!!」
亀裂がはいる…
変わらない日々が、変わってしまう…
「恭が、恭じゃないみたいになる…、苦しくなって、今までの私達じゃなくなる!
そんなの、ヤダよ……、
私は、幼なじみのままでいたいのに!
一緒に帰るいつもの時間が、
側にいる時間が、
あんなにも、幸せに思うはずの時間が
………苦しくかんじるんだよ…?
そんなの、今までかんじだことなかったのに……、
私達――――」
「分かっているくせに」