お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
新しい方をねだったように聞こえたら困るが、晴臣の匂いのするベッドにひとりで寝るのは果歩にとって酷なこと。できれば避けたい。
「俺はこっちでいいから」
「それは本当にダメです」
お互いになかなか引かない押し問答の末、果歩の希望通りとなりホッと胸を撫で下ろす。本当ならここにいるべきではないとわかっているのにそれができないのは、一線を引かれても晴臣を好きだから。一緒にいる理由がある間だけでもいいから、そばにいたい。
布団の入った袋をいったんリビングの隅に置き、寝床問題は決着。次は食事問題だ。
「夕食はもう済ませましたか?」
「ううん、まだだけど。どこか出ようか」
「もしもなんですけど、晴臣さんがよければ私が作ろうと思うんですが」
勝手に開けるのは肩身が狭かったけれど、買ってきた食材は冷蔵庫に入れさせてもらっている。
「果歩が? それは楽しみ」
思いのほか好反応。晴臣はうれしそうに顔を綻ばせた。