お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
なにが起こっているのかわからず、頭の中はパニック同然。
(正真正銘って? 本物の恋人? どうして?)
整理しようにもできず、スピードを上げていく心臓の音に追い立てられるような感覚に陥った。
「果歩が好きだ」
決定的なひと言が、まるで矢のように果歩の胸を突く。想いというものに形があるのだとしたら、そのど真ん中を射られた気がした。
彼からそんな言葉を告げられる日がくるなんて、まったく想像もしていなかった。
果歩を引き離し、晴臣が真っすぐに見つめる。
「……ほんとですか?」
思いもしない言葉のため確認せずにはいられない。嘘だと言わないでと願いながら聞き返した。
「果歩が好きでたまらない」
二度目の好きが、射られた心を包み込む。
「……私も晴臣さんが好きです」