お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~

微かに笑みを浮かべた晴臣の指先が、果歩の頬にそっと触れる。絡み合った視線の熱さに胸が焦がれて苦しい。
吐息を感じる距離にあった唇がゆっくり近づき、目を閉じると同時に重なった。

腕を掴んでいた晴臣の手が徐々に移動し、果歩の手を包み込む。力が入った拳を少しずつ開かせ、指先を絡めてぎゅっと握った。

重ね合わせていただけの唇をそっと割って入ってきた舌が、果歩の舌と交じり合う。ふたりの体温が溶け合い、艶めかしい音を立ててキスが深くなっていく。

晴臣の甘いキスのせいで頭の中は白く霞み、体はふわふわとした夢見心地。なにも考えられず、ただ彼が与えてくれる甘美な口づけに目を閉じて応えるしかできない。

起き上がった晴臣はワイシャツを一気に脱ぎ捨てた。美しく隆起した胸に薄っすらと割れた腹筋。細身に見えた体が鍛え上げられたものだと知り、鼓動が激しく乱れて収拾がつかない。

再び落ちてきた彼の唇が、顎から首筋を伝って下りていく。インナーの中に忍び込んできた晴臣の手が素肌を這い、そこから与えられる甘い刺激に目を閉じて身悶える。切れ切れの吐息を漏らしているうちに着ているものは脱がされ、薄明りのもとで恥ずかしい姿をさらした。

熱烈な視線に耐えられず、隠そうとして胸を覆った手をやんわりと外される。
< 112 / 151 >

この作品をシェア

pagetop