お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~

「ああ、あれ。座るというよりはオブジェに近いようなやつだね」
「自分の部屋に飾ってるんです。あれをデザインしたのも七瀬さんですか?」
「初期の頃かな。パッとひと目を引く椅子を作りたくて」
「それが狙いなら、私はその手中に見事はまりました」


就職したてでひとり暮らしをはじめたばかり。まだ余裕がなかったため、ひと目惚れはしたものの即決して買える値段ではなかった。なにしろナナセの家具は高級路線だから。
それでも忘れられずに一週間くらい悩んでどうしてもほしくて、結局手に入れたものだ。

そのデザイナーと今こうして話しているなんて夢のよう。


「ますます光栄だな」


晴臣はうれしそうに笑った。

世界的に名の通った有名人とお見合いなんて、果歩には身に余るもの。文代も、もう少し人選すればよかったのにと思わずにはいられない。とはいえ、そのおかげでこうして無理なお願いを聞き入れてもらえているのだけれど。

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