お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
「さてと、そろそろ出発しようか。病院に着くまでに、ある程度お互いのことを知っておいた方がいいからいろいろ聞かせて」
「はい」
祖母の前で結婚相手だと紹介しなければならないから、情報交換は必須。晴臣はエンジンをかけ、車をゆっくりと発進させた。
「果歩さんは、荒原不動産で働いているんだよね?」
「まだ半年ですが」
「それまでは?」
「建設会社にいたんですが、ちょっといろいろあって……」
元彼が同僚たちにお金を借りようとしたため、いづらくなって退職に追い込まれたが、さすがにそこまでは打ち明けられず言葉を濁す。
晴臣も前職についてはそれ以上突っ込んで聞いてくることはなく、好きな食べ物や音楽、映画の話に逸れていった。
お互いに辛い物が好きで、映画ではアクションものが一番好きだという共通点を見つけ、その話でも盛り上がり、あっという間に時間が過ぎていく。気づいたときには久城総合病院に着いていた。
「ここからは恋人同士の設定でいこう」
車を降りる直前、晴臣に言われて使命を思い出す。