お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~

そういえばスマートフォンは出勤してキャビネットに入れたバッグにしまったまま。マナーモードにしてあるため気づきもしなかった。


「ごめんなさい」
「これ、渡そうと思ってたんだ」


晴臣が差し出したカードのようなものを見て首を傾げる。


「部屋の鍵。俺より早く帰ったら入れないだろう?」


そう言われてハッとした。カードキーらしい。
でも、受け取っていいのか迷って手を出せない。


「あらあらなぁに? ハルくんと果歩ちゃん、もう一緒に住んでるの?」


文代は目をまん丸にして晴臣と果歩を見た。


「あ、いえ、これにはワケが……」


果歩が言い訳がましく口を開いたら、晴臣は「そうなんだ」とあっさり肯定。文代も「それじゃトントン拍子に結婚ね」などと言い始めるから、取り付く島もない。
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