結婚から始めましょう。〜SIDE 蓮〜
今、自分の隣には純白のドレスに身を包んだ桃香が、若干緊張した様子で座っている。
長く続く祝いの言葉を聞きながら、少し前のことを思い出していた。
桃香の控え室を訪れ、扉に近付いた時、ちょうど華子が出てきた。声をかけようとすると、彼女は人差し指を自身の口元に当てて、静かにするように促してくる。
そのまま扉をわずかに開いた状態で、華子は中の様子を伺うよう手で示した。
聞こえてきた声に思わず耳をすませていた。
「どうしよう……」
「大丈夫かなあ……」
「変なとこないかなあ……」
わずかに漏れ聞こえてくるのは、間違いなく愛しい妻の声。その自信なさげな様子に、思わずくすりと笑った。
恋人になっても、妻になっても、彼女の本質は少しも変わらない。豪華すぎる式に慄き、やってくる招待客の多さに怯え、こうして誰も見ていないところで不安を吐き出す。
時間になればきっと、シャキッと背筋を伸ばして別人のような顔付きで出てくるだろう。
けれど、自分にだけはその不安も見せて欲しい。
長く続く祝いの言葉を聞きながら、少し前のことを思い出していた。
桃香の控え室を訪れ、扉に近付いた時、ちょうど華子が出てきた。声をかけようとすると、彼女は人差し指を自身の口元に当てて、静かにするように促してくる。
そのまま扉をわずかに開いた状態で、華子は中の様子を伺うよう手で示した。
聞こえてきた声に思わず耳をすませていた。
「どうしよう……」
「大丈夫かなあ……」
「変なとこないかなあ……」
わずかに漏れ聞こえてくるのは、間違いなく愛しい妻の声。その自信なさげな様子に、思わずくすりと笑った。
恋人になっても、妻になっても、彼女の本質は少しも変わらない。豪華すぎる式に慄き、やってくる招待客の多さに怯え、こうして誰も見ていないところで不安を吐き出す。
時間になればきっと、シャキッと背筋を伸ばして別人のような顔付きで出てくるだろう。
けれど、自分にだけはその不安も見せて欲しい。