ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜2
「……家まで……送ろうと……思うのだが……」

 白猫は視線を下に向けると、自分の手首を掴むルディの手を見てまた頬を染めた。

「あの、だ、大丈夫です、帰れますから」

「いや、夜道をひとりで歩かせるわけにはいかない」

「でも、ルディさんはお仕事があるし、クーちゃんと一緒なので本当に大丈夫なんです。だから、この手を……」

「あっ、すまん」

 慌てた様子で彼は白猫の手首を解放した。

「その、これは……違うんだ」

「ご親切にありがとうございました。それじゃ、お仕事無理しないでくださいね。ルディさん、おやすみなさい」

「お、おやすみ……」

 美少女は胸に飛び込んで来た子犬を抱きしめると、屋根に向かってジャンプした。重力などないかのように、その身体はふわりと飛び上がる。

 彼女は驚くルディに小さく手を振ってにこりと笑うと、白猫は屋根の上を走ってあっという間に見えなくなってしまった。

「……なんという軽い身のこなしだ」

 つられたルディも、胸のあたりで小さく手を振っていた。

 月の光を反射してきらめく髪を後ろになびかせながら、美しい猫は幻のように消えた。

 ルディはその後ろ姿が見えなくなってからも、その場に立ちつくした。

「……フェア……君は何者なんだ……」

 無意識に呟くルディの心の真ん中には、白猫の笑顔が深く刻まれていたのであった。
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