ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜2
「そのフェンリルさんは、自分が妖精であることを秘密にしているのかしら」

「……いいえ、フェンリルであることは表立って言うことはないけれど、よく知られているって……ルディさんが言ってました……」

 エリナははっとした。

(そうか、真名を教えることには慎重にならなくてはいけないけれど、妖精獣であることは別に秘密にしなくてもいいんだ!)

「クー・シーはおっちょこちょいだけど、こういうところで運がいいのよ。転移した先がお仲間の家だなんて、むしろ幸先がよかったわね」

「えへへっ」

 ちょっと得意げに笑ったクー・シーだったが、フォーチュナに「でも、調査不足なのはあなたの責任よ。覚醒していないとはいえ、フェンリルの存在に気づかないなんて……」と軽く睨まれて、尻尾を股に挟み込んで「きゅ、きゅうん」と情けない声を出した。

「そうね……フェンリルの隊長さんが妖精獣としてきちんと覚醒してから、エリナも妖精獣であることを告げてもいいわね。あなたにはまだまだ訓練が必要だし、先にエリナが仕上がってからフェンリルの訓練を行いましょうか。それまでは……そうね、今夜名乗ったように『フェア』としてフェンリルと顔を合わせて親しくなっておくといいわ。そして、子猫のエリナは子猫としてこのままお暮らしなさい。ゆっくりと時間をかけて、まずは魂の力を満たしていきましょうね。先程のように不安にかられることがないように、強い心を育んでいきましょう」

「はい」

 涙を拭ったエリナは頷いた。
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