Sweet Strawberry Trap 御曹司副社長の甘い計略
喜一郎氏は慈愛のこもった眼差しをわたしに向けた。
「本当に瓜二つだ。蝶吉はわしが生涯で一番愛した女性でな」
昭和30年。喜一郎氏が25歳、曾祖母が35歳のとき、ふたりは出会った。
財閥解体という受難の時期を切り抜け、セリザワにようやく復活の兆しが見えたころだった。
芸者と客という関係を超えて、ふたりは恋仲になったそうだ。
当時、喜一郎氏は真剣に曽祖母との結婚を考えていた。
けれど、さまざまな圧力に屈し、結局、その想いは叶わなかった。
「だから、宗太と壱子さんが出会って恋仲になったのは、わしには蝶吉の導きだとしか思えなくてな」
広場で出会ったとき、わたしがあまりにも曾祖母そっくりだったので、喜一郎氏は湊さんに命じて、出自を調べたそうだ。
そして予想通り、蝶吉のひ孫とわかり、わたしたちの仲を取り持つために強硬手段に出た。
弁護士を通じて、全財産をわたしに譲るという遺言書を作成したのだ。
そして叔父さんに、その遺言書を破棄する代わりに結婚を認めるように談判した。
仰天した叔父さんは、しぶしぶ了承せざるをえなかった。
「本当に瓜二つだ。蝶吉はわしが生涯で一番愛した女性でな」
昭和30年。喜一郎氏が25歳、曾祖母が35歳のとき、ふたりは出会った。
財閥解体という受難の時期を切り抜け、セリザワにようやく復活の兆しが見えたころだった。
芸者と客という関係を超えて、ふたりは恋仲になったそうだ。
当時、喜一郎氏は真剣に曽祖母との結婚を考えていた。
けれど、さまざまな圧力に屈し、結局、その想いは叶わなかった。
「だから、宗太と壱子さんが出会って恋仲になったのは、わしには蝶吉の導きだとしか思えなくてな」
広場で出会ったとき、わたしがあまりにも曾祖母そっくりだったので、喜一郎氏は湊さんに命じて、出自を調べたそうだ。
そして予想通り、蝶吉のひ孫とわかり、わたしたちの仲を取り持つために強硬手段に出た。
弁護士を通じて、全財産をわたしに譲るという遺言書を作成したのだ。
そして叔父さんに、その遺言書を破棄する代わりに結婚を認めるように談判した。
仰天した叔父さんは、しぶしぶ了承せざるをえなかった。