Sweet Strawberry Trap 御曹司副社長の甘い計略
 芹澤さんが帰宅したのは、午後10時ごろだった。

 彼はわたしの部屋のドアをノックして、隙間から顔をのぞかせた。
「ただいま」
「あっ、おかえりなさい」

 わたしは急いでドアの前まで行った。

「あの、すみません。できたら、これからお話ししたいことがあるのですが」

「ぼくもそう思ってたんだ。明日からのことをもう少し詳しく話さないといけないし。シャワーを浴びてくるから、あと30分ぐらい待っててくれる?」
「はい」
「じゃあ、後ほどリビングで」

 時間を見計らってリビングに行くと、芹澤さんが先に来ていた。

「こっちに坐って」
 ソファーにかけるように促され、わたしは片側の隅に腰かけた。

「夕食は食べたの?」
「はい。デリバリーを頼みました」
「そうか。便利だろう。あのアプリ」

 芹澤さんは、リビングに設置されている大型のワインセラーから冷えた白ワインを出し、鮮やかな手さばきでコルクを抜き、グラスに注いでくれた。

「どうぞ」
「あっ、すみません。いただきます」
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