Sweet Strawberry Trap 御曹司副社長の甘い計略
 ノンストップで走り続けているような日々のなかで、芹澤さんとすごす朝食の時間は、貴重な息抜きになっていた。

 あの日、朝食を担当すると言ったのはほんの思いつきだったけれど、大正解だった。

 彼は自分を「お飾りの副社長」などと揶揄《やゆ》していたけれど、その言葉とは裏腹に、毎日忙しそうだ。

 帰宅も遅く、夜、顔を合わせることはめったになかった。
 なので、朝、同じ食卓につくことだけが、ほとんど唯一のつながりだった。

 和洋中、一通り作ったけど、一番反応が良かったのは、中華粥。

 鶏ガラで出汁を取って、お米から炊いたので、かなり本格的に仕上がった。

「この間、上海で食べたのより、よっぽど旨いよ」と芹澤さんもご満悦。

 美味しいと言ってくれる人がいると張り合いが違うので、自然と手の込んだメニューが多くなった。
< 69 / 153 >

この作品をシェア

pagetop