あなたが私を選んだ理由に、断固異議あり!
あっという間に5時近くになった。
そういえば、会議室がどこにあるのかさえ、私は知らない。



「田中さん、そろそろ行かない?」

相田さんが声をかけてくれたから、私はそそくさと準備を整えた。



(あれ?)



相田さんと数人の社員がエレベーターに乗り込み、45階で止まった。
どうやら、会議室はオフィスとは違う階にあるみたいだ。
ここで降りた人達は、みんな会議室に行くみたい。
良かった。



(うわわっ!)



重厚で大きな扉はすでに開かれていた。
そこから見えた内部は、思ったよりもずっと広い。
以前の会社と同じような広さをイメージしてたから、最初から度肝を抜かれた。
中はまさに、パーティ会場だ。



ゴージャスな花が飾られ、料理も食べきれない程あるし、シェフもいるし、お寿司のコーナーには板前さんもいる。



「いらっしゃいませ。」

「あ、ど、どうも。」

中年の男性が、お酒を持って来た。
私はそのグラスを受け取った。
他の人達もみんなグラスを手にしていた。



「すごいですね。
こんなに広いと思わなかったから、びっくりしました。」

本当は中の様子にも驚いたんだけど、それは言わなかった。
宅配ピザ程度だと思ってたなんて、とても言えない。



「あ、そっか。
田中さん、ここは初めてだったよね。」

相田さんは、特に驚いた様子はなかった。
なんだかすごいな。
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